書名：異郷の死――知里幸恵、そのまわり 編者： 西　成彦／崎山政毅 定価：2730円 （本体価格2600円＋税130円） サイズ：四六判並製　ページ　刊行日2007年月　 ISBN978-4-409-16090-9　（文学・民族／アイヌ）

序　　崎山政毅

知里幸恵の詩／死　　丸山隆司／バイリンガルな白昼夢　　西　成彦／みずからの声を翻訳する――『アイヌ神遥集』の声と文字　　坪井秀人／知里幸恵と知里真志保のアイヌ神遥訳――オノマトペと踊る遥　　佐藤=ロスペアグ」・ナナ／【エッセイ】越境の女性作家として　　津島佑子／知里幸恵と帝国日本言語学　　安田敏朗／口承から表記へ、表記から「文学｣へ――知里幸恵と知里真志保の「日本語テクスト｣とその周辺　　崎山政毅／【エッセイ】知里幸恵との、おそすぎた出会いをめぐって　　太田昌国／宮沢賢治とアイヌ文学　　秋枝美保／好奇心とオリエンタリズム――北原白秋のアイヌ民族へのまなざしを考える　　細身和之

編集後記　　西　成彦

西　成彦　にし　まさひこ
1955年生。東京大学大学院博士課程中途退学。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。比較文学。
『新編　森のゲリラ　宮沢賢治』（平凡社ライブラリー)、『耳の悦楽――ラフカディオ・ハーンと女たち』（紀伊国屋書店)、『複数の沖縄』、『異郷の身体――テレサ・ハッキョン・チャうぃめぐって』（ともに共編著、人文書院)など

崎山政毅　　さきやま　まさき
1961年生。京都大学大学院後期課程中退。立命館大学文学部准教授。ラテンアメリカ近現代史・第三世界思想史。
『思考のフロンティア　資本』（岩波書店)、『サバルタンと歴史』（青土社)、、『1968』（共著、作品社)、『複数の沖縄――ディアスポラからの希望』（共著、人文書院)など

「知里幸恵」とそのテクストを読む

『アイヌ神謡集』を遺し十九歳の若さで夭折したアイヌの娘知里幸恵と、彼女のテクストをめぐる読みの協働の試み。帝国的野心、先住民族の「同化」、近代的国民国家という制度的・学的障壁をこえて、彼女の作業がもちえた力を探り、百年後の「死後の生」をつかむことをめざす。