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書名:グローバリゼーションと植民地主義 編者:
西川長夫・高橋秀寿 |
目次 |
いまなぜ植民地主義が問われるのか――植民地主義論を深めるために 西川長夫
T 〈新〉植民地主義
〈新〉植民地主義とマルチチュードのプロジェクト――グローバル・コモンの共創に向けて 水嶋一憲
フランスの事例にみる「植民地忘却」を考える――『〈新〉植民地主義論』を手がかりに 平野千果子
「緑」のネオリベラリズムとメソアメリカ民衆の抵抗――グローバルな植民地主義に対する批判への回路と課題 崎山政毅
【コラム】ケ・ブランリー美術館――「平等」か、「過去の忘却」か 中本真生子
U 国内植民地
国内植民地論に関する覚え書 今西 一
千島列島の内国化と国際的環境――片岡侍従の千島派遣を中心に 麓 慎一
市場・群島・国家――太平洋世界/小笠原諸島/帝国日本 石原 俊
国境を越えた人種マイノリティ教育の移転――アメリカ合衆国史の事例から 宮下敬志
【コラム】紀州・白浜温泉という国内植民地の再生産――私の国内植民地での体験 倉田昌紀
V グローバル・シティ
都市のグローバル性/植民地性 加藤政洋
アジア・メガシティとポスト・グローバルシティの位相 吉原直樹
【レポート】グローバル化における上海の文化発展 郭 潔敏
【レポート】国際大都市をめざす上海の発展と課題 王 貽志(王虎訳)
【解題】グローバル・シティと植民地都市 ――中国大連市の場合 佐藤 量
W 戦後と植民地以後
「難民入植」と「開発難民」のあいだ――戦後開拓を考える 道場親信
現在に抗する戦後に向けて 花森重行
植民地遺制を考える――植民地の記憶をめぐる綱引き 朴 美貞
占領・植民地化・セクシャリティ――ドイツと日本 高橋秀寿
【コラム】KTX女性乗務員たちの闘い 山下英愛
あとがき
文献案内
編者紹介 |
西川長夫(にしかわ・ながお)/1934年生まれ。立命館大学先端総合学術研究所名誉教授。専門は比較文化論、フランス研究。著書に『国境の越え方 - 比較文化論序説』(筑摩書房、1992年)』、『〈新〉植民地主義論―グローバル化時代の植民地主義を問う』(平凡社、2006年)、『日本回帰・再論―近代への問い、あるいはナショナルな表象をめぐる闘争』(人文書院、2008年)など。
高橋秀寿(たかはし・ひでとし)/1957年生まれ。立命館大学文学部教授。ドイツ現代史・記憶文化論。著書に『再帰化する近代―ドイツ現代史論』(国際書院、1997年)、『ナショナル・アイデンティティ論の現在』(共編、晃洋書房、2003年)、『東欧の20世紀』(共編、人文書院、2006年)など。
内容紹介 |
いまなぜ植民地主義が問われるのか。「国民国家と多文化社会」シリーズ最新刊。
グローバル化と呼ばれる世界の変動は、とりわけ9・11以後、帝国主義的・植民地主義的な様相を深めている。グローバル化が第二の植民地主義であるなら、植民地主義の再生産装置たる国民国家はどのように機能してきたのか。「国内植民地」「グローバル・シティ」などを手がかりに、今こそ必要な「新たな」植民地主義に対する批判の回路と課題を考える。