書名:古代日本の女性天皇

著者:吉野裕子

定価:2625円 (本体価格2500円+税125円)
サイズ:四六判上製 316
ページ 刊行日2005年5月 
ISBN4-409-54070-X (教養書/歴史・民俗)

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目次

座談会 「天皇制をめぐって」(小柴昌俊・小柴慶子・遠山慶子・吉野裕子

はじめに

序 中国における女帝不在の原理:中国皇帝の本質/日本天皇の本質

T 原始日本社会の女性上位
第一章 祭祀女性上位:日本の蛇信仰  蛇巫・女王卑弥呼/第二章 軍事面女性上位:新羅善徳女王の逸話  沖縄の古伝承「女は戦の魁(さきがけ)」  天孫降臨  ヤマトタケル伝承と女の力  ヤマトタケルの生涯の推理

U 古代日本の女性天皇
序/第一章 第三十三代 推古天皇/第二章 第三十五代 皇極天皇・第三十七代 斉明天皇(皇極天皇重祚):五徳終始説について  五徳終始説本朝受入れの可能性可能性  皇極・斉明天皇の諡号  おわりに/第三章 第四十一代 持統天皇即位前記:はじめに  持統の生立  天智天皇「木徳」の推理  天武天皇「火徳」の推理  持統天皇「土徳」の推理  天武天皇の崩御とその火徳  持統による持統のための天武呪術崩御日設定  持統即位への道  大津と草壁  天皇崩御と皇太子草壁  皇位最短距離にある草壁と大津  陰陽に対置される両皇子の死  持統即位演出者――不比等と麻呂  草壁皇子の死――ある白昼夢  持統天皇即位式と中臣寿詞/第四章 第四十一代 持統天皇即位以降:『大神寿詞』  中臣寿詞(天神寿詞)  『天神寿詞』の推理  持統天皇即位の呪術  「天の水」と「地の水」  風水呪術  吉野山と金剛蔵王権現  吉野山の首峯・青ヶ峯  金峯山/第五章 第四十三代 元明天皇・第四十四代元正天皇:謎の元明御製  「不改の常典」即「天照大神の神勅」  おわりに/第六章 第四十六代 孝謙天皇・第四十八代 称徳天皇(孝謙天皇重祚)

あとがき


著者・内容紹介

吉野裕子 よしの ひろこ
1916年東京に生まれる。1934年女子学習院、1954年津田塾大学、各卒。
1975〜87年学習院女子短期大学非常勤講師。
1977年『陰陽五行思想からみた日本の祭』によって東京教育大学から文学博士の学位を授与される。
現在、山岳修験学会、日本生活文化史学会、各理事。

著書:『扇』(初刊1970年、再刊1984年、人文書院)、『祭りの原理』(慶友社、1972年)、『日本古代呪術』(大和書房、1974年)、『隠された神々』(初刊1975年、再刊1992年、人文書院)、『陰陽五行思想からみた日本の祭』( 初刊1978年 再刊2000年、人文書院)、『蛇』(法政大学出版会、1979年、講談社学術文庫、1999年)、『狐』(法政大学出版会、1980年)、『日本人の死生観』(初刊1982年、再刊1995年、人文書院)、『陰陽五行と日本の民俗』(人文書院、1983年)、『易と日本の祭祀』(人文書院、1984年)、『陰陽五行と童児祭祀』人文書院、1986年)、『大嘗祭』(弘文堂、1987年)、『持統天皇』(人文書院、1987年)、『山の神』(人文書院、1989年)、『神々の誕生』(岩波書店、1990年)、『五行循環』(人文書院、1992年)『十二支』(人文書院、1994年)、『ダルマの民俗学』(岩波新書、1995年)、『陰陽五行と日本の天皇』(人文書院、1998年) 、『易・五行と源氏の世界』(人文書院、1999年)、『カミナリさまはなぜヘソをねらうのか』サンマーク出版、2000年)、『陰陽五行と日本の文化』(大和書房、2003年)


日本の古代、なぜにかくも多くの女性天皇が登場したのか?

最高蛇巫としての女性祭祀者を最上位におく原始日本の伝統を記紀や新羅の神話の局面に探る第一部と、万事に中国を範とした古代日本にあって、女帝皆無の中国に対し、わが国には何故かくも多くの女帝を輩出したかを、天の北極星の神霊化たる天皇存在の本質から説き起こす第二部。推古、皇極、持統、孝謙等々、歴代の女性天皇の女帝としての「徳」獲得のさまざまなあり方を、易・五行の中国哲理によって解明する吉野学の真骨頂。
冒頭にノーベル賞学者小柴昌俊氏との「天皇制」をめぐる座談会を収録。


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